道具

これ「何か知ってる?」と聞かれました。
即答した私に「なんで知ってるの?」と怪訝な顔でまた聞きます。
前のブログにも書いた記憶があるけど・・・。

デザイン科インテリアコースを卒業した後、内装関係の会社で仕事をしていました。そこは展示会のブース作りや、店舗の改装などを手がけている会社でした。
図面の見方、関連業者さんへの連絡や見積書の書き方、プレゼンの仕方など本当に沢山のことを教えてもらいました。
私は職人さんの仕事を見ているのが大好きです。出入りの大工さん達は、年配の方ばかりでした。その側に座り込み、あれこれと質問する私に、いやな顔もしないで一つ一つ教えてくれました。この使い方もその時に知りました。
電機屋さん、経師屋さん、塗装屋さんも、ほんのちょっとしたコツを教えてくれました。

段取りをして、材料をそろえ、それぞれがプロの仕事をして現場が成り立って行きます。
私自身も小さい金槌とバールを買ってもらい、腰袋を下げて現場を歩きました。名前を書いたメージャーが嬉しくて、何度も袋から出したり入れたりして。
大きな展示会の搬入日では、間に合わなくて徹夜もしました。広い会場を夜通し歩き回っていると、身体は疲れてるのにまだまだいくらでも仕事ができる気分になります。まるでランナーズハイのような状態。会社に戻ってみんなで食べたうどんが美味しかったのを思い出します。

今でも『1センチの厚みのベニヤ板』とは言わず『とおみりのベニヤ』といいます。一間は1800、半間は900と言います。
数年前に自宅のリフォームをしました。業者さんの言葉にふんふんと頷くわたしが不思議そうでした。質問攻めにしなかったからかなと思います。







墨つぼ