☆ 歌舞伎の六代目尾上菊五郎は語ったという。
〈その役者に悪評を下せば、その劇評家が笑われるような役者になることだ〉と。
永六輔さんが「役者その世界」(岩波書店)に書き留めている。
俳優に限らず、筋の通らない酷評や、いわれのない反感を身に浴びることは、誰にでも経験がある。
雑音は技芸を磨いてねじ伏せろ、という六代目の教えは、いつの世にも通じるだろう。
9月8日読売編集手帳より
☆ やさしくて、かなしくて、おかしくて、気高くて、他に何が要るのでしょう。
あのね、読んで面白くない小説はね、それは、下手な小説なのです。
「晩年」に就いて 太宰治より