しるし

自分を締め付けるものはいらない

他人を決め付ける人もいらない



朝陽と夕陽を選べないように

それはそこにあるから

希望だから 美しいもの



川の水と海の水を選べないように

それは止まらないから

飲み込んでくれるから 大きいもの



風と一緒に 光と一緒に

形を変えて すべてを受け容れて

山の頂を走り 谷をすり抜け

波の白さをくぐり 緑の木々を詠わせ

花の匂いを 雨の音を

心を

一瞬の輝きで照らせば

はるかに続く時刻(とき)の中で

命は印(しるし)となる