おもいで

満開の桜並木の真ん中を葬列の車が続く

花びらで前が見えなくなるほどの桜吹雪のトンネル

先頭の車の助手席で

この光景は生涯忘れないと目の奥に刻んだ



HNを決める時に迷わずさくらにしたのは、

春から夏に季節が変わる頃

後ろに続ける数字は命日

お参りに行く度に

「親不孝なことしてごめんなさい」

と心の中で謝っていた

心が流れていくうちにたどり着いた場所

そこは 笑う事を思い出させてくれた


恋をして

恋が壊れた


壊れたものは置いていくの


持って行くのは 思い出だけ

それは 私の中に


川の流れのように 留まらず

花びらの渦巻きは 海へ